2019/05/21 23:21
ジャガー・XKは、イギリスの自動車メーカージャガー社より、1996年から2014年まで販売されていたスポーツカー。
概要[編集]
XKは、ジャガーがフォードに買収された後、旧態依然となっていたXJSに替わる新たなスポーツカーとして開発された。「XK」というのはもともとEタイプ以前に市販されていたジャガーのスポーツカーに冠された名前であった。しかし、Eタイプの後、21年間も作られ続けたXJ-S(後期モデルはXJSに改名)の後継モデルとなった当モデルがその名前を受け継いだ。
XKは、リアにシートを備えた2+2のラグジュアリー・クーペで、その高性能と美しいデザインから人気を博し、初代モデルは10年間で9万台以上を売りあげるという、ジャガーのスポーツカー史上最も成功したモデルとなった(ただし最も販売台数が多いのはXJ-S/XJS。1975年から1996年の間に11万5千台を販売)。ボディ形状は、初代・2代目モデルともに、クーペとコンバーチブルが用意された。
このモデルは、エンジンは8気筒のものが採用されたため、ノーマルモデルはXK8と命名された(後に追加されたハイパフォーマンスモデルはXKR)。デザインは、Eタイプとの関連性を強く前面に押し出した、流麗なものとなった。
エンジンは、新設計の4.0L V8 DOHCのAJ-V8エンジンを搭載した。XK8の最高出力は294ps/6,100rpm、最大トルクは40.0kg・m/4,250rpmであり、これにスーパーチャージャーを搭載したXKRの最高出力は375ps/6,150rpm、最大トルクは53.5kg・m/3,600rpmを発揮した。トランスミッションはいずれもZF製の5速ATを搭載。ZF製は信頼性に欠ける為、XKRではメルセデス製に変更されている。シャシーはXJSのものを大幅に改良して作られた。そのためサスペンションはフロントにダブルウイッシュボーン、リヤにウイッシュボーンを採用している。ただしXJSではリアショックが2本あったものが、1本に改められている。
またXK8にはリンプ・ホームモード(エンジンやオートマチックトランスミッションに異常が出た場合それを保護するため、通常時の50%にパワーが抑制される安全機能)が備わっている。
2代目(2006年-2014年)XK/XKR(X150)[編集]
ジャガー・XK (X150) (2006年 - 2014年) | |
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XKコンバーチブル (2011年) XKR-S (2011年) | |
販売期間 | 2006年 - 2014年 |
乗車定員 | 4名 |
ボディタイプ | 2ドアクーペ 2ドアコンバーチブル |
エンジン | クーペ/コンバーチブル: 4,999 cc V8 385エンジン XKR (クーペ) : 4,999 cc V8 510スーパーチャージド・エンジン XKR-S (クーペ) : 4,999 cc V8 550スーパーチャージド・エンジン |
駆動方式 | FR |
最高出力 | クーペ/コンバーチブル: 385 PS/6,500 rpm XKR (クーペ) : 510 PS/6,500 rpm XKR-S (クーペ) : 550 PS/6,500 rpm |
最大トルク | クーペ/コンバーチブル: 515 Nm/3,500 rpm XKR (クーペ) : 625 Nm/5,500 rpm XKR-S (クーペ) : 680 Nm/3,500 rpm |
変速機 | 電子制御 6速オートマチック |
全長 | 4,790 mm/4,795 mm (XKR-Sクーペ) |
全幅 | クーペ、コンバーチブル:1,895 mm XKR、XKR-S (クーペ) :1,915 mm |
全高 | クーペ:1,322 mm コンバーチブル:1,330 mm XKR (クーペ) :1,320 mm XKR-S (クーペ) :1,310 mm |
ホイールベース | 2,750 mm |
車両重量 | クーペ/コンバーチブル:1,730 kg XKR/XKR-S (クーペ) :1,810 kg |
ハンドル位置 | 右/左 |
最少回転半径 | 5.3 m |
-自動車のスペック表- |
1999年にジャガーのデザインディレクターに就任した、アストンマーティン・DB7などを手がけたイアン・カラムによるデザイン。車両デザインは2002年には完了していた。2005年の北米国際オートショーではJaguar Advanced Lightweight Coupe(ALC)として量産型と極めて似通ったコンセプトカーが公開されている。
2005年フランクフルトモーターショーで初めて公開される。プロジェクトコードはX150。発売は2006年7月だが、日本上陸は2007年1月[1]。当初は先代と全く同じエンジンを搭載した自然吸気モデルのXKのみの発表であった。